ファクタリング

SNSでみかけるファクタリングの勧誘や広告に潜む危険性を解説

2024.11.08

この記事の要点

  1. SNSでのファクタリング勧誘に潜む悪質業者の手口と偽装貸金業の見分け方を理解し、違法な高金利貸付けの被害を未然に防ぐことができます。
  2. 金融庁の判定基準と法的根拠に基づいた正規ファクタリングの要件を把握し、適切な業者選定と安全な資金調達を実現できます。
  3. 信頼できるファクタリング会社の見極め基準と契約時の確認事項を習得し、透明性の高い取引で健全な事業運営を維持できます。

目次

ATOファクタリング

1. SNSでファクタリング勧誘や広告が危険な理由

SNSの普及により、事業者向けの資金調達手段として注目されるファクタリングの勧誘や広告が頻繁に見かけられるようになりました。しかし、これらの中には正規のファクタリング会社を装った悪質業者が多数潜んでいることが金融庁により確認されています。

本記事では、SNSで見かけるファクタリング勧誘の危険性について、法的根拠に基づいて詳しく解説します。読者の皆様がSNSを通じた勧誘で被害に遭うことを防ぎ、適切なファクタリング業者を選択するための実践的な知識を提供いたします。

特に資金繰りに悩む事業者の方は、安易にSNSの勧誘に応じることの危険性を理解し、正規のルートでファクタリングを利用していただけるよう、具体的な見分け方と対処法をご紹介します。

1-1. SNSの匿名性と法整備の遅れが生む問題

SNSでファクタリング勧誘が危険とされる最大の理由は、プラットフォーム特有の匿名性と法整備の遅れにあります。現在のSNS環境では、事業者の実態確認が不十分であり、悪質業者が容易に潜入できる状況が続いています。

XやInstagram、Facebookなどの主要SNSでは、アカウント作成時の本人確認が簡易的であるため、偽名や架空の会社名でアカウントを作成することが可能です。この匿名性を悪用して、実在しない会社名でファクタリング業務を装い、事業者にアプローチする手口が横行しています。

特に「#ファクタリング」「#資金繰り」「#資金調達」といったハッシュタグを使用することで、資金繰りに困る事業者を効率的に標的にできる仕組みとなっています。

法整備の観点では、SNS上での金融業の勧誘に関する規制が十分に整備されていない現状があります。従来の広告規制は主に新聞や雑誌、テレビといった既存メディアを対象としており、SNSの特性を踏まえた規制は後追いの状況です。

この法的空白を狙って、貸金業の登録を受けていない業者がファクタリングを装った勧誘を行っているケースが増加しています。

さらに、SNSの拡散性も問題を深刻化させています。一つの投稿が短時間で数千人に拡散される可能性があり、被害が急速に拡大するリスクがあります。事業者が「いいね」やシェアを行うことで、知らず知らずのうちに悪質業者の宣伝に加担してしまう構造的な問題も存在します。

1-2. ファクタリングを装った闇金融の増加背景

SNSでファクタリング勧誘が急増している背景には、従来の闇金融業者がファクタリングという合法的なサービスを隠れ蓑として利用している実態があります。金融庁も警告を発しているとおり、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行う業者の存在が確認されており、特にSNSを活用した勧誘が目立っています。

正規のファクタリングは民法第466条から第473条に基づく債権譲渡契約であり、売掛債権の売買取引として位置づけられています。しかし、闇金融業者は「ファクタリング」という名称を使いながら、実質的には貸金業法に該当する高金利の貸付けを行っています。

この手口により、貸金業の登録義務を回避しつつ、違法な高金利での資金提供を行う悪質な業態が形成されています。

特に問題となるのは、これらの業者がSNSの特性を悪用して組織的に事業者を勧誘していることです。複数のアカウントを使い分けて投稿を行い、あたかも多数の業者が競合しているかのように見せかける手法や、成功事例を装った偽の投稿で信頼性を演出する手法が確認されています。

また、緊急性を煽る文言を多用し、事業者の冷静な判断を妨げる心理的手法も用いられています。

経済産業省が推奨する正規のファクタリングは、事業者の資金調達を支援する有効な手段ですが、その認知度の高まりを悪用する形で闇金融業者が参入している現状があります。資金繰りに困る事業者の心理に付け込み、「即日対応」「審査不要」といった魅力的な条件を提示することで、判断力を鈍らせる手口が多用されています。

2. SNS上に潜む偽装ファクタリング業者の実態

2-1. XやInstagramで急増する偽装業者の特徴

XやInstagramにおいて偽装ファクタリング業者が増加している実態について、具体的な特徴を分析いたします。これらの業者は巧妙に正規業者を装いながら、実際には違法な貸金業を行っているケースが多数確認されています。

X上では「#ファクタリング即日」「#資金調達緊急」といったハッシュタグを多用し、事業者の緊急性に訴える投稿が目立ちます。投稿内容には「審査通過率98%」「最短30分で入金」といった実現困難な条件が記載されており、正規業者では困難な条件を提示することで差別化を図っています。

また、実例と称する取引画像を添付する手法も頻繁に見られますが、これらの多くは加工されたものや他社の実績を流用したものです。

Instagramでは、より視覚的なアプローチが採用されています。札束や高級車の画像と組み合わせた投稿で成功をアピールし、「ファクタリングで事業拡大に成功」といったストーリーを演出する手法が確認されています。フォロワー数も人為的に増加させており、数千から数万のフォロワーを持つアカウントでも実際の利用者は極めて少ないケースが多数あります。

共通する特徴として、これらの偽装業者は連絡先として個人のLINEアカウントやメールアドレスのみを提示し、正式な事業所の所在地や代表者名を明示していません。また、契約条件について詳細な説明を避け、「まずは相談から」として個別のやり取りに誘導する傾向があります。

この段階で事業者の詳細な財務情報を聞き出し、後の交渉で有利に進めるための情報収集を行っています。

2-2. 正規ファクタリングと偽装貸金業の決定的違い

正規のファクタリングと偽装貸金業を見分けるためには、法的な定義と実際の取引内容の違いを理解することが重要です。両者の決定的な違いは、債権の移転リスクと返済義務の有無にあります。

正規のファクタリングでは、売掛債権の売買契約により、債権の回収リスクがファクタリング会社に完全に移転します。民法第466条に基づく債権譲渡として、売掛先企業が倒産した場合でも、債権を売却した事業者には弁済義務が発生しません。

これが「償還請求権なし」の原則であり、ファクタリングの本質的な特徴です。手数料は債権額面に対する一定の割合で設定され、期間に応じた利息という概念は存在しません。

一方、偽装貸金業では「ファクタリング」と称しながら、実質的には売掛債権を担保とした貸付けが行われます。契約書上は債権譲渡の体裁を取りながらも、売掛先の支払い遅延や倒産時には債権を売却した事業者に全額の弁済を求める「償還請求権あり」の条件が設定されています。

また、手数料ではなく月利や年利での金利設定が行われ、分割払いでの返済を求められる場合があります。

具体的な見分け方として、契約前の説明で「万が一の場合は返済していただきます」「分割での支払いも可能です」といった表現が出た場合は、偽装貸金業の可能性が高いと判断できます。正規のファクタリングでは、債権の売買代金は一括で支払われ、後日の分割払いという概念は存在しません。

金融庁の判例では、実質的に貸金業法の規制を受けるべき取引をファクタリングとして偽装する行為について、複数の判断基準が示されています。債務者の不払いリスクの負担者、対抗要件具備の状況、手数料の妥当性などが総合的に判断され、実質的な貸付けと認定された場合は貸金業法違反となります。

3. 危険なSNSファクタリング勧誘の見分け方

3-1. 危険なハッシュタグと投稿内容の特徴

SNS上の危険なファクタリング勧誘を見分けるために、使用されるハッシュタグと投稿内容の特徴的なパターンを理解することが重要です。悪質業者は特定のハッシュタグを組み合わせて使用し、緊急性や優位性を強調する投稿内容で事業者を誘い込む手法を用いています。

危険性の高いハッシュタグとして「#ファクタリング即日」「#資金調達緊急」「#審査甘い」「#ブラックOK」「#個人事業主歓迎」といったものが挙げられます。これらのハッシュタグは、正規のファクタリング会社では通常使用されない表現を含んでおり、違法な貸金業者が資金繰りに困る事業者を効率的に集客するために使用されています。

特に「ブラックOK」「審査甘い」といった表現は、信用情報に問題がある事業者を標的としており、正規の金融サービスでは適切でない表現です。

投稿内容の特徴として、具体的な数値を多用した誇大な宣伝文句が頻繁に使用されています。「審査通過率99%」「最短15分で入金」「手数料1%から」といった現実的でない条件の提示や、「他社で断られた方も大歓迎」「どこよりも条件が良い」といった競合との比較を強調する表現が見られます。

正規のファクタリング会社では、リスク管理の観点から過度に楽観的な条件提示は行わず、適切な審査基準を設けています。

また、投稿に添付される画像にも注意が必要です。取引実績として通帳の画像や契約書の一部を掲載する手法が用いられていますが、これらの多くは加工されたものや他社の実績を流用したものです。個人情報保護の観点からも、正規の業者が顧客の取引内容を公開することは適切ではありません。

さらに、豪華な生活をアピールする画像と組み合わせた「ファクタリングで成功」といったストーリー性のある投稿も、事業者の射幸心を煽る意図で作成されている可能性があります。

3-2. 個人間融資を装ったファクタリング詐欺の手口

近年急増している手口として、個人間融資を装ったファクタリング詐欺があります。この手口では、個人を装った業者がSNSの掲示板や専用グループでファクタリングサービスを提供すると偽り、実際には違法な高金利での貸付けを行っています。

日本貸金業協会の警告によると、個人間融資であっても反復継続の意思をもって金銭の貸付けを行う場合には貸金業の登録が必要です。しかし、SNS上では「個人的にファクタリングを行います」「知り合いの範囲でのお手伝い」といった表現で貸金業の登録義務を回避しようとする業者が確認されています。

これらの業者は、個人を装いながら組織的に運営されている闇金融である可能性が高く、事業者が被害に遭うリスクが非常に高い状況です。

具体的な手口として、SNSのダイレクトメッセージ機能を使用した個別アプローチが多用されています。資金調達に関する投稿を行った事業者に対して「お力になれるかもしれません」「個人的に相談に乗ります」といったメッセージを送り、親近感を演出しながら接触を図る手法です。

この段階では金銭的な条件は提示せず、事業者の詳細な財務状況や緊急度を聞き出すことに重点が置かれています。

信頼関係を構築した後、「ファクタリング」という名目で資金提供を提案しますが、実際の契約内容は売掛債権を担保とした貸付けとなっています。個人間融資を装っているため契約書の作成が簡素化されており、後にトラブルが発生した際の証拠保全が困難になる仕組みが作られています。

また、返済が困難になった場合には、融資の条件として性的な要求や違法行為への加担を強要するケースも報告されており、金銭的被害以外の深刻な被害に発展する危険性があります。

4. 法的根拠で理解するSNS勧誘の問題点

4-1. 金融庁が警告する偽装ファクタリングの判定基準

金融庁は偽装ファクタリングに関する明確な判定基準を示しており、これらの基準を理解することでSNS上の危険な勧誘を見分けることが可能です。金融庁の注意喚起文書では、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるものは貸金業に該当するおそれがあると明記されています。

判定基準の中核となるのは償還請求権の有無です。正規のファクタリングではファクタリング業者が債権の回収リスクを負担し、売掛先の倒産や支払い遅延が発生してもファクタリング利用者に対して弁済を求めることはありません。

しかし、偽装ファクタリングでは「債務者が弁済しなかった場合、売主が債権額以上の金額をファクタリング業者に支払う旨の公正証書を作成する」といった条件が設定されており、これは実質的な貸付けに該当します。

東京高裁令和3年7月1日判決では、ファクタリング業者が負担すべき不払いのリスクを負担していない事案について、貸金業法上の貸付けに当たると判断されました。一方、東京地裁令和2年9月18日判決では、償還請求権を有しておらず、実質的に債務者の不払いリスクがファクタリング業者に移転していると評価できる事案について、貸金業法は適用されないと判断されており、リスク負担の実態が重要な判定要素となっています。

手数料の妥当性も重要な判定基準です。名古屋地裁令和3年7月16日判決では、債権譲渡日から支払日までの期間の短さからして債務者による不履行の可能性は極めて低いといった事情を考慮して、貸金業法上の貸付けに当たると判断されました。

年率換算で著しく高額な手数料が設定されている場合や、実質的に担保目的であることを推認させるような多額の手数料である場合は、偽装ファクタリングと判定される可能性が高くなります。

4-2. 民法と貸金業法による正規ファクタリングの要件

正規のファクタリングが満たすべき法的要件について、民法と貸金業法の観点から整理いたします。これらの要件を理解することで、SNS上の勧誘が正規のファクタリングサービスであるかを判断する基準を確立できます。

民法第466条から第473条に基づく債権譲渡として、ファクタリングは以下の要件を満たす必要があります。まず、譲渡対象となる債権が確実に存在し、譲渡が可能な性質を有していることが前提となります。

売掛債権の存在を証明する契約書や請求書などの書類が適切に整備されており、債権の特定が明確に行われている必要があります。

債権譲渡の対抗要件についても適切な手続きが必要です。民法第467条に基づき、債務者である売掛先への通知または債務者の承諾により、第三者に対する対抗要件を具備することが求められます。3社間ファクタリングでは売掛先への通知が前提となり、2社間ファクタリングでは譲渡禁止特約の有無や将来の通知可能性が重要な要素となります。

貸金業法との区別においては、金銭の貸付けに該当しないことが重要です。ファクタリングは債権の売買契約であり、金銭の貸借関係ではないため、利息制限法や出資法の金利規制の対象外となります。

しかし、実質的に金銭の貸付けと同様の経済効果を有する取引については、貸金業法の規制を受ける可能性があります。

具体的には、ファクタリング会社が売掛債権の回収リスクを実質的に負担せず、利用者に償還義務を課している場合は、貸金業に該当する可能性が高くなります。

手数料の設定についても、債権の信用リスクや回収期間に応じた合理的な水準である必要があります。年率換算で著しく高額な手数料や、担保目的と推認される多額の手数料は、偽装ファクタリングの判定要因となります。正規のファクタリング会社では、売掛先の信用力や債権の回収期間を総合的に評価して手数料を設定し、その根拠を明確に説明できる体制を整えています。

5. SNS勧誘を避けて安全にファクタリングを利用する方法

5-1. 信頼できるファクタリング会社の見極め基準

SNSでの勧誘を避けて安全にファクタリングを利用するためには、信頼できる業者を見極める明確な基準を設けることが重要です。正規のファクタリング会社には共通する特徴があり、これらの基準に照らして業者選定を行うことで被害を防ぐことができます。

会社情報の透明性が最も重要な判定基準となります。信頼できるファクタリング会社は、本社所在地、代表者名、設立年月日、資本金、事業内容などの基本情報を公式ウェブサイトで明確に公開しています。

登記簿謄本の内容と一致する正確な情報提供が行われており、架空の会社名や虚偽の所在地を使用することはありません。

また、固定電話番号や正式な事業所での面談対応が可能であり、連絡先として個人の携帯電話やフリーメールアドレスのみを提示することはありません。

償還請求権の取り扱いについて明確な説明があることも重要な基準です。正規のファクタリング会社では、契約前の段階で償還請求権がないことを明確に説明し、売掛先の倒産や支払い遅延が発生した場合でも利用者に弁済義務が発生しないことを保証します。

契約書においても、この点が明記されており、曖昧な表現や例外条項による実質的な償還義務の設定は行われません。

手数料の透明性と妥当性も重要な判定要素です。信頼できる業者では、手数料の算定根拠が明確に説明され、売掛先の信用力、債権の回収期間、取引規模などの要素に基づいた合理的な水準が設定されています。

見積もり段階での手数料提示と契約時の手数料に乖離がなく、後から追加費用を請求することはありません。

また、手数料以外の諸費用についても事前に明示され、透明性の高い料金体系が構築されています。

5-2. 正規業者への相談と契約時の確認事項

正規のファクタリング業者を選定した後も、相談段階から契約締結まで適切な確認を行うことが重要です。初回相談では業者の対応姿勢や説明内容を慎重に評価し、契約条件についても詳細な確認を行う必要があります。

初回相談では、業者の専門知識と説明能力を確認することが重要です。正規の業者では、ファクタリングの仕組みについて法的根拠を含めた正確な説明が行われ、利用者の質問に対して明確で一貫性のある回答が提供されます。

売掛債権の評価方法、手数料の算定根拠、契約から入金までの具体的な流れについて詳細な説明があり、利用者が十分に理解できるまで丁寧な対応が行われます。

契約書の内容確認では、特に以下の項目について重点的にチェックする必要があります。債権譲渡の内容が明確に記載されており、譲渡対象となる売掛債権の特定が適切に行われていることを確認します。

償還請求権に関する条項では、ファクタリング会社が売掛債権の回収リスクを完全に負担し、利用者に対して弁済義務を課さないことが明記されているかを確認します。

手数料と支払い条件についても詳細な確認が必要です。手数料は債権額面に対する一定の割合として設定されており、期間に応じた利息計算は行われていないことを確認します。支払いは一括で行われ、分割払いや月々の返済といった貸金業的な要素がないことを確認します。

また、契約解除や早期終了に関する条項についても、不当に利用者に不利な条件が設定されていないかを確認します。

万が一トラブルが発生した場合の対応体制についても事前に確認することが重要です。正規の業者では、顧客相談窓口が設置されており、トラブル解決のための明確な手続きが定められています。

業界団体への加盟状況や第三者機関による監督体制についても確認し、適切なガバナンス体制が構築されている業者を選択することが安全な取引につながります。

6. よくある質問

6-1. SNSでファクタリングの勧誘を受けたときはどうすれば良いですか?

SNSでファクタリングの勧誘を受けた場合は、まず安易に反応せず、相手業者の詳細な情報確認を行うことが重要です。会社名、所在地、代表者名、連絡先などの基本情報を確認し、実在する会社であるかを登記情報などで確認してください。

また、SNS上での勧誘に対して個人情報を提供したり、すぐに面談の約束をしたりすることは避け、まずは公式ウェブサイトや電話での情報収集を行うことをおすすめします。不審な点がある場合は、金融庁や消費生活センターに相談することも有効です。

6-2. 個人間融資とファクタリングはどう見分けたらよいですか?

個人間融資とファクタリングの見分け方として、まず相手が個人なのか法人なのかを確認することが重要です。正規のファクタリングは法人が提供するサービスであり、個人が反復継続してファクタリング業務を行うことは貸金業法上の問題があります。

また、契約内容において償還請求権の有無、手数料の設定方法、支払い条件などを詳細に確認し、実質的に貸金業に該当しないかを判断してください。個人を装った業者からの勧誘は、たとえファクタリングと称していても違法な貸金業である可能性が高いため注意が必要です。

6-3. 正規のファクタリング会社はSNSで宣伝しないのですか?

正規のファクタリング会社がSNSを活用することはありますが、その方法は悪質業者とは大きく異なります。正規業者では、教育的なコンテンツの発信や企業情報の提供が中心となり、緊急性を煽るような勧誘や過度に有利な条件の提示は行いません。

また、SNSからの問い合わせに対しても、まず公式ウェブサイトへの誘導や正式な相談窓口での対応を案内し、SNS上で契約条件の詳細な交渉を行うことはありません。正規業者のSNS活用では、透明性の高い情報提供と適切な顧客誘導が行われています。

6-4. ファクタリング業者に貸金業の登録は必要ないのですか?

正規のファクタリングは債権の売買契約であり、金銭の貸付けではないため、貸金業の登録は必要ありません。これは経済産業省も認めている合法的な資金調達方法です。

しかし、ファクタリングと称しながら実質的に貸金業に該当する取引を行う業者については、貸金業の登録が必要となります。

金融庁の判例でも、償還請求権の有無や手数料の性質などを総合的に判断して、実質的な貸付けと認定される場合は貸金業法の規制対象となることが示されています。利用者としては、契約内容が真のファクタリングに該当するかを慎重に確認することが重要です。

6-5. SNSで知り合った業者と契約してしまった場合の対処法を教えてください?

SNSで知り合った業者と既に契約してしまった場合は、まず契約内容を詳細に確認し、法的に問題がないかを検証することが重要です。償還請求権の有無、手数料の妥当性、支払い条件などを確認し、偽装ファクタリングや違法な貸金業に該当する可能性がある場合は、速やかに専門機関に相談してください。

消費生活センター、弁護士会の法律相談、金融庁の金融サービス利用者相談室などが相談先として利用できます。また、契約書の控えや取引記録などの証拠を保全し、被害拡大を防ぐための対策を講じることも重要です。

クーリングオフ制度の適用可能性についても専門家に確認し、適切な法的手続きを検討してください。

6-6. ファクタリング手数料の相場はどの程度が適正ですか?

正規のファクタリングにおける手数料相場は、2社間ファクタリングで売掛債権額の8.0%から18.0%程度、3社間ファクタリングで2.0%から9.0%程度が一般的です。ただし、売掛先の信用力、債権の回収期間、取引規模などにより変動するため、一律の基準はありません。

年率換算で著しく高額な手数料や、月利表示での手数料設定がある場合は、偽装ファクタリングの可能性があります。正規業者では手数料の算定根拠を明確に説明でき、業界相場から大きく逸脱した条件を提示することはありません。

複数の業者から見積もりを取得し、条件を比較検討することで適正な手数料水準を判断してください。

7. まとめ

SNSで見かけるファクタリングの勧誘や広告には、正規のサービスを装った悪質業者が多数潜んでいることが確認されています。これらの業者は、SNSの匿名性と法整備の遅れを悪用し、資金繰りに困る事業者を標的として違法な貸金業を行っています。

本記事で解説した危険な勧誘の見分け方と対処法を参考に、SNSでの勧誘には十分な注意を払い、正規のルートでファクタリング業者を選定することが重要です。特に償還請求権の有無、手数料の妥当性、業者の透明性について慎重に確認し、法的根拠に基づいた適切な判断を行ってください。

安全で確実な資金調達のために、信頼できる正規業者との取引を心がけ、SNSでの安易な勧誘には応じないよう注意していただきたいと思います。

事業者の皆様におかれましては、資金繰りの課題解決において、正規のファクタリングサービスを適切に活用いただくことで、健全な事業運営の実現に寄与していただければ幸いです。

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