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架空債権によるファクタリングとは?リスクや法的規制と罰則を解説

2024.11.12

この記事の要点

  1. 架空債権によるファクタリングは詐欺罪(10年以下の懲役)に該当する重大犯罪であることを正確に理解できます。
  2. 発覚時の刑事処罰と社会的信用失墜により事業継続が不可能になる具体的なリスクを認識できます。
  3. 適正な資金調達方法と法的対応について実践的な知識を習得できます。

目次

ATOファクタリング

1. 架空債権によるファクタリングとは何か

架空債権によるファクタリングは、実在しない売掛債権を偽造してファクタリング会社から資金を詐取する犯罪行為です。この行為は刑法第246条の詐欺罪に該当し、10年以下の懲役刑が科される重大な犯罪となります。

資金繰りに窮した事業者が軽い気持ちで手を出してしまうケースが見られますが、架空債権によるファクタリングは必ず発覚し、刑事処罰だけでなく社会的信用の完全な失墜を招きます。

本記事では、架空債権によるファクタリングの法的リスクと具体的な処罰内容について、関連法令と実際の事例をもとに詳しく解説します。

1-1. 架空債権の定義と特徴

架空債権とは、実際には存在しない売掛債権を偽装して作り上げた虚偽の債権を指します。通常のファクタリングでは実在する売掛債権をファクタリング会社に譲渡しますが、架空債権によるファクタリングでは存在しない取引を捏造して請求書や契約書を偽造します。

架空債権の特徴として、売掛先企業との実際の取引が存在しないため、期日になっても売掛金の入金が発生しません。そのため、ファクタリング会社は債権回収ができず、結果的に損害を被ることになります。売掛債権は目に見えない権利であるため、書類の偽造によって一時的にファクタリング会社を欺くことは可能です。

しかし、架空債権によるファクタリングは必ず発覚するリスクを伴う重大な犯罪行為であることを理解する必要があります。金融庁の監督指針においても、ファクタリング業者による適切な審査体制の構築が求められており、架空債権の発見体制は年々強化されています。

1-2. 実在しない売掛債権を作り出す手法

架空債権を作り出す主な手法として、請求書の完全な偽造があります。実在しない取引について、あたかも商品の納入やサービスの提供が完了したかのような請求書を作成し、ファクタリング会社に提出します。この際、実在する企業名を悪用して売掛先として記載するケースが多く見られます。

契約書の捏造も一般的な手法です。売掛先企業との間で実際には締結していない売買契約書や業務委託契約書を偽造し、取引の存在を証明する書類として提示します。特に悪質な場合には、売掛先企業の印鑑を偽造して契約書に押印するケースも見られ、この場合は刑法第159条の有印私文書偽造罪も成立します。

銀行通帳の改ざんによる入金履歴の偽装も行われます。過去の取引実績を示すため、通帳のコピーを改ざんして売掛先からの入金履歴があるように見せかけます。また、売掛先企業と共謀して架空の取引を演出し、ファクタリング会社を組織的に欺くケースも存在し、この場合は共同正犯として全関与者が処罰対象となります。

1-3. ファクタリング会社を欺く具体的方法

2社間ファクタリングを悪用した詐欺が最も多く見られます。2社間ファクタリングでは売掛先に通知せずに契約するため、ファクタリング会社が売掛先に直接確認する機会が限定されます。この特性を利用して架空債権を持ち込むケースが頻発しており、日本ファクタリング業協会の調査では不正利用の約70%が2社間ファクタリングで発生しています。

複数のファクタリング会社への同時申込みも悪用される手法です。審査の段階で複数社に架空の売掛債権を提示し、条件の良い会社と契約することで発覚リスクを分散させようとします。しかし、この行為は債権の二重譲渡にも該当する可能性があり、詐欺罪に加えて民法上の不法行為責任も発生します。

新規取引先との架空債権を装うケースでは、実在する企業との新しい取引として架空債権を提示します。既存の取引実績がないため、ファクタリング会社による過去の入金確認が困難になることを狙った手法です。しかし、現在では信用情報機関との連携により、新規取引の真正性についても厳格な審査が実施されています。

2. 架空債権によるファクタリングが違法である法的根拠

2-1. 詐欺罪(刑法第246条)への該当性

架空債権によるファクタリングは、刑法第246条第1項の詐欺罪に明確に該当します。同条は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」と規定しており、架空債権による資金調達はこの構成要件を完全に満たします。

詐欺罪の成立要件として、欺罔行為、錯誤、処分行為、財産的損害の4つの要素が必要です。架空債権によるファクタリングでは、存在しない債権を実在するように装う行為が欺罔行為に該当し、ファクタリング会社が架空債権を実在すると信じることが錯誤となります。ファクタリング会社が架空債権を買い取って資金を交付する行為が処分行為であり、回収不能な債権に対して資金を支払ったことが財産的損害に当たります。

これらの要素間に因果関係が認められれば、詐欺罪が成立します。最高裁判所の判例では、ファクタリング契約において債権の実在性が取引の前提条件であることが明確に示されており、架空債権の譲渡は詐欺罪の典型例として位置づけられています。

2-2. 私文書偽造罪(刑法第159条)の適用

架空債権を作り出すために請求書や契約書を偽造した場合、刑法第159条の有印私文書偽造罪に該当する可能性があります。同条は「行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者」を処罰対象としています。

売掛先企業の印鑑を偽造して契約書に押印した場合、明確に有印私文書偽造罪が成立します。また、偽造した文書をファクタリング会社に提出する行為は、刑法第161条の偽造私文書行使罪にも該当します。私文書偽造罪の法定刑は3月以上5年以下の懲役であり、詐欺罪と併せて処罰される可能性があります。

複数の犯罪が成立する場合、刑法第45条の併合罪として、最も重い罪の刑期の1.5倍を上限として処罰されます。詐欺罪と私文書偽造罪が併合された場合、最長15年の懲役刑が科される可能性があります。

2-3. 民法上の債権譲渡契約との関係

民法第466条は「債権は、譲り渡すことができる」と定めており、ファクタリングの基本的な法的根拠となっています。しかし、この規定は実在する債権の譲渡を前提としており、存在しない債権は譲渡の対象となり得ません。

架空債権の譲渡契約は、民法第90条の公序良俗違反により無効となります。また、錯誤により締結された契約として、民法第95条に基づく無効を主張される可能性もあります。債権譲渡契約が無効である場合、ファクタリング会社は不当利得返還請求権に基づいて支払った資金の返還を求めることができます。

刑事責任とは別に、民事上の損害賠償責任も発生することになります。架空債権によってファクタリング会社が被った損害について、利用者は完全な賠償責任を負うことになり、その金額は譲渡対価だけでなく、調査費用や機会損失なども含まれる可能性があります。

3. 刑事処罰の内容と罰則の詳細

3-1. 詐欺罪の懲役刑(10年以下)

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑のみで、罰金刑は設けられていません。これは詐欺罪が重大な犯罪として位置づけられており、たとえ軽微な事案であっても懲役刑の対象となることを意味します。

実際の量刑は詐取した金額、犯行の悪質性、被害の回復状況などを総合的に考慮して決定されます。数百万円程度の架空債権詐欺でも実刑判決が下される可能性があり、被害額が大きい場合や組織的な犯行の場合には長期間の懲役刑が科されます。令和3年の犯罪白書によると、詐欺罪の平均刑期は約2年6ヶ月となっています。

初犯であっても執行猶予が付されない場合があり、特に被害の回復がなされていない場合や反省の態度が認められない場合には、実刑判決となるリスクが高くなります。架空債権によるファクタリング詐欺では、計画性と悪質性が認定されやすく、執行猶予が付される可能性は一般的な詐欺事件よりも低い傾向にあります。

3-2. 私文書偽造罪等の併科可能性

架空債権詐欺では、詐欺罪に加えて私文書偽造罪や偽造私文書行使罪が併科される可能性があります。有印私文書偽造罪の法定刑は3月以上5年以下の懲役、偽造私文書行使罪は同様に3月以上5年以下の懲役です。

複数の犯罪が成立する場合、刑法第45条の併合罪として処理されます。併合罪では、最も重い罪の長期の1.5倍を上限として刑が決定されるため、詐欺罪の10年の1.5倍である15年が上限となります。また、架空債権の作成に関与した者が複数いる場合、刑法第60条の共同正犯として全員が同様の処罰を受ける可能性があります。

売掛先企業と共謀した場合には、組織的犯罪として処罰が重くなる傾向があります。組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律により、団体的な詐欺行為については刑が加重される場合があります。

3-3. 詐欺未遂でも処罰対象となる条件

詐欺罪は刑法第250条により未遂犯も処罰対象とされています。架空債権を持ち込んだ段階で実際に資金を受け取っていなくても、詐欺未遂として処罰される可能性があります。

未遂犯の成立要件として、犯罪の実行に着手していることが必要です。架空債権をファクタリング会社に提出して審査を申し込んだ時点で、詐欺の実行着手が認められる可能性があります。未遂犯の刑は既遂犯より軽減されますが、刑法第43条により任意的減軽となるため、必ずしも刑が軽くなるとは限りません。

悪質性が高い場合には、未遂であっても重い刑が科される可能性があります。特に、複数のファクタリング会社に同時に架空債権を持ち込んだ場合や、組織的な犯行の場合には、未遂であっても厳しい処罰が科される傾向があります。

4. 架空債権の発覚リスクと発覚後の対応流れ

4-1. ファクタリング会社による発覚メカニズム

ファクタリング会社は架空債権を防止するため、複数の審査手法を組み合わせています。売掛先企業への直接確認は最も確実な方法で、3社間ファクタリングでは必ず実施され、2社間ファクタリングでも疑義がある場合には実施されます。通帳の入金履歴確認により、過去の取引実績と支払いサイクルをチェックします。

新規取引先からの売掛債権の場合、過去の入金履歴がないことで不審に思われる可能性が高くなります。書類の整合性確認では、請求書、契約書、納品書などの関連書類に矛盾がないかを詳細に検証します。印鑑の押印状況、書類の作成日付、金額の記載方法など、細部にわたって確認が行われます。

信用情報機関への照会により、申込企業の財務状況や過去の取引実績を確認します。資金繰りが極度に悪化している企業からの申込みには特に慎重な審査が実施されます。また、AI技術を活用した書類の真正性判定システムも導入されており、偽造書類の発見精度は年々向上しています。

4-2. 警察への通報と刑事告発の手続き

ファクタリング会社が架空債権を発見した場合、詐欺罪の被害者として警察への被害届提出や刑事告発を行う権利があります。多くのファクタリング会社では、不正行為の抑止効果を期待して積極的に刑事告発を実施しています。

警察への通報後、捜査機関による事情聴取と証拠収集が開始されます。関連書類の押収、関係者からの事情聴取、売掛先企業への確認調査などが実施され、詐欺の事実関係が詳細に調査されます。捜査の結果、詐欺の事実が確認された場合には逮捕状が発行されます。

詐欺罪は比較的重い犯罪であるため、逮捕・勾留される可能性が高く、最大23日間の身柄拘束を受ける可能性があります。検察官による起訴の判断では、犯罪の証拠、被害の程度、被告人の反省状況などが総合的に考慮されます。被害の回復がなされていない場合や悪質性が高い場合には、起訴される可能性が高くなります。

4-3. 社会的信用失墜と事業継続への影響

架空債権詐欺が発覚した場合、企業としての社会的信用は完全に失墜します。金融機関からの融資停止、取引先からの契約解除、新規取引の拒絶など、事業運営に致命的な影響が生じます。代表者の逮捕により事業活動が停止し、従業員の雇用維持が困難になります。

刑事事件として報道された場合、企業名が公表されることで回復不可能な風評被害を受けます。許認可事業を営んでいる場合、刑事処罰により許認可の取消しや更新拒否を受ける可能性があります。建設業許可、宅地建物取引業免許、運送業許可などでは、役員の刑事処罰が欠格事由とされています。

取引先への売掛債権が差し押さえられ、将来の売上金も回収されるため、資金繰りが完全に破綻します。結果として、事業の継続が不可能になり、倒産に至るケースが大多数を占めており、帝国データバンクの調査では架空債権詐欺発覚企業の約85%が1年以内に事業停止となっています。

5. 架空債権による実際の刑事事件と法的判断

5-1. 大規模詐欺事件における手口と処罰内容

イベント企画業界で発生した大規模な架空債権詐欺事件では、約100件の架空売掛債権を作り出し、複数のファクタリング会社から総額約3億4,600万円を詐取した事案がありました。この事件では、実在しない大手企業との契約を装い、精巧な契約書や請求書を偽造していました。

手口として、実在する大手企業の商号を悪用し、架空のイベント業務委託契約を作成していました。契約金額を数千万円規模に設定し、分割払いの売掛債権として複数のファクタリング会社に持ち込んでいました。この事件では代表者が詐欺容疑で逮捕され、組織的な犯行として厳しく処罰されました。

被害額の大きさと犯行の悪質性から、長期間の実刑判決が下されています。また、会社法第350条に基づく代表者の第三者に対する損害賠償責任も認定され、刑事処罰とは別に多額の民事賠償責任を負うこととなりました。

5-2. 建設業界での架空債権事件の判例分析

建設業界で発生した架空債権事件では、土木工事会社がファクタリング会社に対して約1億2,000万円の架空債権を譲渡した事案があります。この事件では、大手電力会社からの工事受注を装い、工事請負契約書や工事完了報告書を偽造していました。

被告側は「ファクタリング契約は実質的に金銭消費貸借契約であり、債権の実在性は問題にならない」と主張しましたが、裁判所はこの主張を退け、明確に詐欺罪の成立を認定しました。判決では、ファクタリング会社が売掛債権の実在を前提として契約していることを重視し、架空債権の譲渡は欺罔行為に該当すると判断されました。

被告の会社と代表者に対して損害賠償責任が認められ、刑事処罰とは別に民事責任も追及されています。この判例により、架空債権による詐欺の法的評価が明確化され、業界全体の抑止効果につながっています。

5-3. 印鑑偽造を伴う詐欺事件の法的評価

LED照明製造業者による事件では、大手電力会社の印鑑を偽造して架空の納入契約書を作成し、ファクタリング会社を欺いた事案がありました。この事件では、詐欺罪に加えて有印私文書偽造罪も成立しています。

印鑑の偽造により、より精巧な架空債権を作り出していましたが、ファクタリング会社が大手電力会社に直接確認したことで発覚しました。偽造印鑑の作成から架空債権の持ち込みまで、計画的で悪質な犯行として認定されています。

この事件では、詐欺罪と有印私文書偽造罪の併合罪として処罰されており、単純な架空債権詐欺よりも重い刑が科されています。印鑑偽造を伴う場合、犯行の計画性と悪質性が高く評価され、処罰が重くなる傾向があることが示されています。

6. よくある質問

6-1. 架空債権でファクタリングしてしまった場合どうすれば良いですか?

架空債権でファクタリングしてしまった場合、まず弁護士に相談することが最優先です。ファクタリング会社に直接相談することは避けるべきです。ファクタリング会社には不正行為を発見した場合の警察への告発義務があるため、自己判断での対応は状況を悪化させる可能性があります。

弁護士相談では、事実関係の整理、法的リスクの評価、今後の対応策の検討を行います。早期の対応により、刑事処罰の軽減や民事和解の可能性を探ることができます。また、被害の回復に向けた具体的な計画を立てることで、処罰の軽減につながる場合があります。

なお、破産手続きを行っても詐欺などの犯罪行為に対する罰金は非免責債権となり、支払い義務は残存します。安易な破産ではなく、適切な法的対応を取ることが重要です。

6-2. ファクタリング会社が架空債権を知っていた場合でも詐欺になりますか?

ファクタリング会社が架空債権であることを事前に知っていた場合、詐欺罪は成立しません。詐欺罪の成立要件である「錯誤」がファクタリング会社に生じていないためです。一部の悪質なファクタリング会社では、営業成績を上げるために「架空債権でも構わない」「書類さえ揃っていれば審査を通す」などと利用者に持ちかけるケースがあります。

このような場合、ファクタリング会社側も法的責任を問われる可能性があります。ただし、ファクタリング会社が架空債権を薄々認識しながら十分な調査を行わずに契約した場合の法的評価は複雑です。明確に架空債権と知っていた場合と、過失により見抜けなかった場合では法的扱いが異なります。

しかし、このような状況でも利用者側の責任が完全に免除されるわけではなく、民事上の責任や他の法的リスクが残る可能性があります。

6-3. 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで処罰に違いはありますか?

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いによって、詐欺罪の成立や処罰に法的な差はありません。架空債権を使用した時点で詐欺罪が成立し、契約形態による処罰の軽重はありません。

ただし、実務的には2社間ファクタリングの方が架空債権を持ち込みやすい環境にあります。売掛先に通知されないため発覚リスクが低いと誤解されがちですが、ファクタリング会社による審査は十分に行われており、必ず発覚します。

3社間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要なため、架空債権の持ち込み自体が困難です。売掛先との共謀がない限り、3社間での架空債権詐欺は実行できません。そのため、統計的には2社間ファクタリングでの架空債権事件が圧倒的に多くなっています。

6-4. 一時的に資金を返済すれば問題になりませんか?

架空債権を使用してファクタリングを行った時点で詐欺罪が成立するため、後から資金を返済しても犯罪の成立に影響しません。詐欺罪は財産の移転時点で既遂となる犯罪であり、事後的な被害回復は量刑の考慮要素にはなりますが、犯罪の成立を阻却するものではありません。

また、架空債権の場合、期日に売掛先からの入金がないため、他の手段で資金を調達して返済する必要があります。この資金調達のために更なる架空債権を作り出すという悪循環に陥るケースが多く見られます。

ファクタリング会社による調査で架空債権が発覚した場合、資金の返済意思があっても刑事告発される可能性があります。犯罪の抑止効果を重視するファクタリング会社では、被害回復の有無にかかわらず告発を実施する傾向があります。

6-5. 架空債権の使用を勧められた場合はどう対応すべきですか?

ファクタリング会社や仲介業者から架空債権の使用を勧められた場合、絶対に応じてはいけません。架空債権を使用した時点で利用者側に詐欺罪が成立するため、相手方の勧誘があっても法的責任は免れません。

このような勧誘を行う業者は悪質業者である可能性が高く、高額な手数料を請求したり、違法な取り立てを行ったりするリスクがあります。金融庁や警察への通報を検討し、健全なファクタリング会社との取引に切り替えることが重要です。

適正なファクタリング会社では、架空債権の使用を勧めることは絶対にありません。実在する売掛債権のみを対象とし、適切な審査を実施して健全な取引を行います。業者選定時には、金融庁への登録状況、業界団体への加盟状況、過去の実績などを十分に確認することが必要です。

7. まとめ

架空債権によるファクタリングは、刑法第246条の詐欺罪に該当する重大な犯罪行為です。10年以下の懲役刑が科される可能性があり、私文書偽造罪などと併せて処罰される場合には更に重い刑となります。資金繰りに困窮していても、架空債権によるファクタリングは必ず発覚し、刑事処罰だけでなく社会的信用の完全な失墜と事業継続の断念を招きます。

一時的な資金調達のために取り返しのつかない結果を招くことになるため、絶対に手を出してはいけません。適正なファクタリングは健全な資金調達手段として機能しますが、架空債権によるファクタリングは企業と経営者の人生を破綻させる行為です。資金繰りに困った場合には、弁護士や認定支援機関への相談、公的融資制度の活用など、合法的な解決策を模索することが重要です。

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