この記事の要点
- 給与ファクタリングとヤミ金業者の密接な関係と違法性の根拠を理解することで、悪質業者による被害を未然に防ぐことができます。
- 年率数百から千数百パーセントという法外な手数料や違法な取り立て行為の実態を知ることで、適切な資金調達方法を選択する判断材料を得られます。
- 実際の摘発事例や被害者の証言を通じて具体的なリスクを把握し、万が一被害に遭った場合の対処法と相談窓口を知ることで安心して対応できます。

1. 給与ファクタリングとは何か
給料日前の資金不足に悩む個人をターゲットとした「給与ファクタリング」が深刻な社会問題となっています。金融庁は給与ファクタリングを貸金業に該当すると明確に認定し、貸金業登録を受けていない業者による営業を違法行為として強く警告しています。
この記事では、給与ファクタリングとヤミ金業者の密接な関係を詳細に解説し、利用者が陥りやすいトラブルの実態と対策について包括的に説明します。個人の資金調達を検討される方にとって、適切な判断材料を提供することを目的としています。
1.1 給与ファクタリングの基本的な仕組み
給与ファクタリングとは、個人が勤務先に対して有する給与債権を業者が買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて資金を回収する仕組みです。利用者は給料日前にまとまった現金を受け取る代わりに、実際の給与支給時に手数料を含めた金額を業者に支払います。
具体的な流れは以下の通りです。利用者が給与ファクタリング業者に申し込みを行い、業者による審査を経て契約を締結します。その後、利用者は将来受け取る予定の給与債権を業者に売却し、業者から手数料を差し引いた金額が即座に支払われます。給料日になると、利用者は勤務先から受け取った給与を業者に支払って取引が完了します。
表面的には債権の売買取引として位置づけられていますが、経済的には貸付けと同じ機能を果たしており、金融庁も令和2年3月5日に経済的には貸付と同じであり、貸金業法の適用対象であると判断しています。
1.2 従来のファクタリングとの根本的な違い
従来の事業者向けファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、資金を即時に調達する合法的な金融手段です。この場合、債権の回収リスクはファクタリング会社が負担し、申込企業は償還責任を負わないノンリコース契約が原則となります。
しかし給与ファクタリングには根本的な違いがあります。労働基準法により使用者は労働者に対して給料を直接支払わなければならないと定められており、業者は給料を買い取ったと主張していても、実際には使用者から業者に直接給料を支払うことはできません。業者は労働者からしか金銭を回収できない構造になっています。
この法的制約により、給与ファクタリング業者は実質的に利用者からの回収に依存せざるを得ず、真のファクタリングではなく貸付けに該当するのです。労働基準法第24条の直接払いの原則が、給与ファクタリングの法的性質を決定づける重要な要因となっています。
2. 給与ファクタリングとヤミ金の密接な関係
2.1 金融庁による貸金業認定の経緯
金融庁は令和2年3月に、給与ファクタリングを業として行うことは貸金業に該当すると明確に認定しました。この認定の背景には、給与ファクタリングの経済的実態が貸付けと同一であることが挙げられます。
最高裁決定では労働基準法第24条第1項の趣旨に基づき、労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても、使用者は直接労働者に対して賃金を支払わなければならないと判断されています。賃金債権の譲受人は、自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないため、実質的に労働者からの回収に依存する構造となります。
貸金業に該当する以上、給与ファクタリングを営業するには貸金業登録が必要となります。しかし現実には、給料ファクタリングのサービスを提供する会社の多くは闇金業者であり、新型コロナウイルス感染症の拡大によって給料が減り困窮状態となる人が増加したことを受け、給料ファクタリングに着手する闇金業者が急増している状況です。
2.2 ヤミ金業者が給与ファクタリングを選ぶ理由
ヤミ金業者が給与ファクタリングを選択する理由は複数あります。まず、「借金ではない」「債権の買い取り」という名目により、利用者の心理的ハードルを下げることができる点です。業者は債権の買い取りなので金銭の貸し付けではないとうたっていますが、実態は貸金業であり借金と同じであるにもかかわらず、利用者には借金という認識を持たせにくい構造になっています。
さらに、ファクタリングは法律による利息制限を受けないことから貸金業者がファクタリング業に転じる例が目立ち、手数料名目で法外な高金利を設定する悪質な業者も目立つという法的な抜け穴を悪用できる点も大きな要因です。
加えて、給与という定期的な収入を担保とすることで、回収の確実性が高まると判断される点も挙げられます。ヤミ金業者にとって給与ファクタリングは、従来の貸金業よりも低リスクで高収益を見込める魅力的な事業モデルとなっているのです。
3. 給与ファクタリング業者の違法性と法的根拠
3.1 貸金業法違反の実態
給与ファクタリング業者の多くは貸金業登録を行わずに営業しており、これは明確な貸金業法違反にあたります。貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年利に換算すると数百から千数百パーセントになるような法外な利息を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった違法な取立ての被害を受けたりする危険性が指摘されています。
貸金業法では、貸金業を営む者は財務局長または都道府県知事の登録を受けることが義務づけられています。無登録での営業は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科という重い刑事罰の対象となります。
また、貸金業法に基づく適切な書面交付義務、過剰貸付けの禁止、取立て行為の規制なども守られていません。これらの法令違反により、利用者は様々な被害を受けることになります。登録貸金業者には厳格な業務規制が課せられているため、無登録業者との取引は利用者にとって極めて危険な行為となります。
3.2 利息制限法を大幅に超える手数料設定
給与ファクタリングで最も深刻な問題は、手数料の異常な高さです。給与ファクタリングの手数料は、年率に換算すると数百パーセントや数千パーセントに及ぶケースが多く、これは明らかに利用者に対する違法な搾取となっています。
利息制限法では、元本に応じて年15パーセントから20パーセントの上限金利が定められています。しかし実際の給与ファクタリングでは、4日後に受け取る給与7万円分を債権として、手数料3万円を請求する事例では、年率に換算すると約6844パーセントとなり、明らかに違法な水準に達しています。
ある事例では10万円を申し込んで約1か月後に手数料を含む15万円の返済を求められ、手数料を金利に換算すると年率600パーセントで、利息制限法が定める上限の最大20パーセントを大幅に超えていたケースも報告されています。このような異常な手数料設定は、出資法第5条の高金利の処罰規定にも抵触する可能性があります。
3.3 労働基準法との関係性
給与ファクタリングにおける法的な問題は、労働基準法第24条との関係でも明確になります。労働基準法では、使用者は労働者に対して給料を直接支払わないといけないという直接払いの原則が定められています。
この原則により、給与ファクタリング業者が給与債権を譲り受けたとしても、使用者である会社は依然として労働者に直接給与を支払う義務があります。結果として、業者は労働者からしか回収できず、これが給与ファクタリングが実質的に貸付けであることの法的根拠となっています。
労働基準法違反には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があり、使用者にとっても法的リスクが存在します。また、労働者の賃金債権は労働基準法により特別に保護されており、これを悪用する給与ファクタリング業者の行為は法的に許容されるものではありません。
4. 利用者が陥りやすい具体的なトラブル事例
4.1 年率数百パーセントから千数百パーセントの高額手数料
給与ファクタリングで最も深刻なトラブルは、法外な手数料の請求です。全国の消費生活センターなどには、7万円を手渡しで受け取り次の給料日に12万円を銀行振込で返済する予定だったケースで年利を計算すると700パーセント以上になる事例や、5万円を申し込んだが実際に振り込まれたのは手数料を引いた3万円で次の給料日には5万円を返済しなければならないといった相談が寄せられています。
典型的な事例では、手数料率が20パーセントから30パーセントに設定されており、仮に20万円を給料ファクタリングしたとすると、受け取れる金額は14万円から16万円となります。一度きりの利用であり、当該借入によって生活を立て直せるのであれば良いかもしれませんが、多くの方はそうではありません。給料を満額受け取れないことによって再度利用しなければならなくなってしまい、最終的には給料そのものが無くなってしまうという悪循環に陥ります。
月1回の利用でも年利換算では240パーセントから360パーセントという異常な水準となり、これが複数回にわたって繰り返されることで、利用者の経済状況は急速に悪化していきます。手数料の計算方法が不透明な場合も多く、利用者が実際の負担を理解しないまま契約に至るケースも少なくありません。
4.2 勤務先や家族への悪質な取り立て
給与ファクタリング業者による取り立て行為は、貸金業法が定める規制を無視した悪質なものが多数報告されています。返済が困難になると、自分や両親の携帯だけでなく、職場にも業者から頻繁に電話がかかってくるようになり、恐ろしくなって相談に来たという被害者の証言があります。
返済が滞った女性会社員のケースでは、自宅に3人の男が訪れ「払わなければ勤務先に連絡する」と脅され、女性は6万円を借りて1か月後に13万円を返す生活を半年続けた後、自己破産したという深刻な事例も報告されています。
勤務先への連絡は、利用者の社会的地位や雇用継続に重大な影響を与える可能性があり、精神的な苦痛も極めて大きなものとなります。家族への取り立ても含めて、これらの行為は貸金業法第21条の取立て行為の規制に明確に違反する違法行為です。特に、正当な理由なく勤務先に連絡することは、債務者の私生活の平穏を害する行為として厳しく禁止されています。
4.3 多重債務による生活破綻パターン
給与ファクタリングの利用により、多くの利用者が多重債務状態に陥り、最終的に生活破綻に至るパターンが確認されています。給与ファクタリングの利用により、本来受け取る賃金よりも少ない金額しか受け取れなくなるため、経済的生活がかえって悪化し、生活が破綻するおそれが指摘されています。
典型的な破綻パターンは以下の通りです。最初は少額の利用から始まりますが、手数料により実際の受取額が減少するため、生活費の不足が生じます。これを補うために再度給与ファクタリングを利用し、さらに他の業者からも借り入れを行うようになります。
複数の業者との契約により返済負担が急激に増加し、給与の大部分が業者への支払いに充てられる状況となります。最終的には返済が不可能となり、自己破産や債務整理を余儀なくされるケースが多発しています。給与ファクタリングの手数料相場は20パーセントから30パーセントとなっており、仮に20万円を給料ファクタリングしたとすると、受け取れる金額は14万円から16万円で、給料を満額受け取れないことによって最終的には給料そのものが無くなってしまう事態にもなりかねません。
5. ヤミ金業者の巧妙な勧誘手口と見分け方
5.1 「借金ではない」「ブラックOK」の甘い宣伝文句
ヤミ金業者は給与ファクタリングの勧誘において、巧妙な宣伝文句を使用して利用者を誘い込みます。インターネット広告等で「借金ではない」「ブラックOK」などと宣伝して、個人の賃金債権を買い取ると称して手数料を差し引いて金銭を提供し、個人から金銭を回収する手法が一般的です。
「借金ではない」という表現により、債務に対する心理的抵抗を軽減し、「ブラックOK」という文言で信用情報に問題がある人々をターゲットにしています。また、「給料の前借り感覚でご利用いただけます」「即日現金が受け取れる」といった利便性を強調する宣伝も頻繁に使用されます。
業者は、ホームページやSNSなどで「スピード対応」「給料の譲渡だから、貸金ではない」「ブラックOK」などと広告しており、昨今コロナウイルスの影響もあり、すぐに必要なお金が足りなくなったが給料日まで待てない人を中心に、利用している人が増えてきた状況が報告されています。これらの宣伝文句は、利用者の判断力を鈍らせ、違法業者への誘導を目的としたものです。
5.2 違法業者を見分ける具体的なポイント
給与ファクタリング業者が違法なヤミ金業者であるかを見分けるための具体的なポイントがあります。まず最も重要なのは貸金業登録の有無です。貸金業を営む者は必ず財務局長または都道府県知事の登録を受けなければならず、登録番号の確認は必須です。
手数料設定も重要な判断基準となります。相場の手数料よりも明らかに安すぎる手数料を掲載している場合は、ヤミ金会社だと思って警戒しておいたほうがよく、2者間ファクタリングを利用する場合で、手数料が1パーセントから5パーセントと相場よりも安く設定されている場合は、ヤミ金会社の可能性が高いとされています。
契約書面の取り扱いも判断材料になります。通常のファクタリング会社では、債権譲渡契約書または売買契約書を用いて契約を締結し、契約を締結する前に、見積書などを提示して内容の説明を行うものですが、ヤミ金会社では、見積書や契約書を提示しようとしません。違法なヤミ金会社は、できる限り証拠を残したくないと考えているためです。
その他の警戒すべきポイントとして、対面での面談を拒否する、会社の所在地が不明確、ホームページが存在しない、分割返済を提案してくる、といった特徴が挙げられます。違法なヤミ金会社では、ホームページや個人間掲示板などに「分割返済可能」と掲載していますが、分割返済はヤミ金のよくある手口とされており、法外な手数料が発生するほか、どれだけ金利を払っても一向に元金が減らない状況に陥る可能性があります。
6. 給与ファクタリング被害の実際の摘発事例
6.1 全国で相次ぐ逮捕案件の詳細
給与ファクタリング業者の摘発は全国で相次いでおり、その規模と悪質性が明らかになっています。2020年7月30日に「給料を支給日前に受け取れる」などと称し、2020年3月から6月にかけて兵庫県の40代男性と新潟県の20代男性の2人に計20万円を貸し付けた疑いでコンサルタント会社「SONマネジメント」の社員ら男女4人が貸金業法違反の疑いで逮捕され、給与ファクタリングでの摘発は全国初となりました。
2021年1月14日には警視庁生活経済課が貸金業法違反と出資法違反の疑いで、東京都新宿区四谷の会社役員ら7人を逮捕し、同容疑者らは、給与ファクタリングを称して闇金を営み、都内の40代の会社員ら12人から法定金利を超える利息を受け取った疑いで摘発されています。
2020年10月14日には給与ファクタリングを謳い違法に金銭を貸し付けたとして男女7人が逮捕されている事件で、大阪府警生活経済課は、貸金業法違反の容疑で主犯格とみられる東京都江東区豊洲の40代会社員を逮捕しました。これで同事件の逮捕者は8人目となり、給与ファクタリング業界の組織的な違法行為の実態が明らかになっています。
6.2 被害者の証言と損害額
実際の被害者による証言からは、給与ファクタリングの深刻な実態が浮き彫りになっています。新型コロナウイルスの影響により収入が減り、次の給料日までどうやって生活するか困っていたところ、来月の給与のうち5万円分をその業者に売れば、すぐに手数料を引いた3万円を振り込んでくれるというもので、約束どおり翌月の給料日に5万円を振り込みましたが、それでは当然生活していけませんので、再度利用し、何とか食いつないできたが、今月はどうしても期限までに振込みができないでいたところ、自分や両親の携帯だけでなく、職場にも業者から頻繁に電話がかかってくるようになったという事例があります。
損害額についても深刻な数字が報告されています。給与ファクタリング業者が債務者に対し、7万円の債権を4万円で買取り、4日後に支払う契約で買戻し日の設定があったが債務者が支払いを怠ったことにより、業者が債務者に対し支払いを求める訴訟を提起した事案では、わずか4日間で3万円の手数料という法外な条件が明らかになっています。
被害の特徴として、単発利用では済まず複数回の利用により損害が累積的に拡大していく点が挙げられます。多くの被害者が数十万円から数百万円規模の損害を被っており、最終的に自己破産に至るケースも少なくありません。給与ファクタリング大手の事例では、賃金債権の買い取り称して月数万円を貸し付け、法定金利の上限を超える1409パーセントもの金利を支払わせた背景から、計436万5000円の返還を求める訴訟も起こされています。
7. よくある質問
7.1 給与ファクタリングは完全に違法なのか
給与ファクタリングの仕組み自体は違法ではありませんが、実態として貸金業に該当するため、適切な登録と法令遵守が必要です。給与ファクタリングの仕組み自体は違法ではありませんが、貸金業登録をしていない業者が、給与ファクタリングサービスを提供することは違法となります。
現在市場に存在する給与ファクタリング業者の大多数は貸金業登録を行っておらず、法外な手数料を設定しているため、実質的にヤミ金業者として違法営業を行っています。合法的に給与ファクタリングを提供するためには、貸金業登録を取得し、利息制限法に準拠した手数料設定を行う必要があります。
金融庁は給与ファクタリングを業として行うことは貸金業に該当すると明確に認定しており、無登録での営業は貸金業法違反となります。また、年率換算で数百から千数百パーセントになるような手数料設定は出資法違反にも該当する可能性があります。
7.2 被害に遭った場合の対処法
給与ファクタリング被害に遭った場合の対処法は複数あります。まず重要なのは、ヤミ金業者に対して支払いを停止することです。違法業者との契約は無効であり、法的な支払い義務は存在しません。
相談先として、消費生活センター、法テラス、弁護士会の法律相談、日本貸金業協会の相談窓口などが利用できます。消費者ホットライン188番では、お住まいの地域の市区町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号として活用できます。また、警察への被害届提出も検討すべき選択肢です。
弁護士や司法書士に依頼することで、違法業者からの取り立て停止、過払い金の返還請求、債務整理などの法的手続きが可能になります。早期の対応により被害の拡大を防ぐことができます。ヤミ金融業者に対しては1円の金銭も返還する必要はなく、むしろ支払った金銭の返還請求をすることが可能です。
7.3 安全な資金調達方法の選択肢
給与ファクタリングに代わる安全な資金調達方法として、正規の金融機関によるカードローンやキャッシングサービスがあります。クレジットカード会社や銀行、消費者金融などの正規金融機関が提供するカードローンは、法定金利の範囲内で貸し付けており、高額な手数料を請求されることはありません。
その他の選択肢として、勤務先の従業員貸付制度、生活福祉資金貸付制度、緊急小口資金貸付、クレジットカードのキャッシング機能などが利用できます。これらの方法は全て法的な保護下にあり、適正な金利設定がなされています。
急な資金需要に対しては、家族や友人からの借入、不要品の売却、副業による収入増加など、借入以外の方法も検討することが重要です。カードローンは、給与ファクタリングと比べて金利が低いことが一般的で、最短で申し込んだその日に借り入れできるため、急な出費に対応できて便利です。正規の給与前払いサービスについては、金融庁のグレーゾーン解消制度に基づく回答で適法性が確認されているサービスもあります。
8. まとめ
給与ファクタリングとヤミ金の関係について詳細に解説してきました。金融庁が給与ファクタリングを貸金業に該当すると認定し、貸金業登録を受けていない業者による営業を違法行為として強く警告している現状において、利用者は十分な注意が必要です。
給与ファクタリング業者の多くは実質的にヤミ金業者であり、年率数百から千数百パーセントという法外な手数料を設定し、違法な取り立て行為を行っています。利用者は一時的な資金調達のつもりが、最終的に多重債務状態に陥り、生活破綻に至るリスクが極めて高い状況です。
「借金ではない」「ブラックOK」といった甘い宣伝文句に惑わされることなく、貸金業登録の有無、手数料の妥当性、契約条件の透明性などを慎重に確認することが重要です。被害に遭った場合は、支払いを停止し、消費生活センターや弁護士などの専門機関に速やかに相談することで被害の拡大を防ぐことができます。
資金調達が必要な場合は、正規の金融機関によるカードローンや公的な支援制度など、法的保護のある安全な方法を選択することを強く推奨します。給与ファクタリングの問題は個人の経済的困窮を背景としていますが、一時的な解決策として違法業者を利用することは、問題をより深刻化させる結果しか生みません。適切な知識と判断により、違法業者の被害から身を守ることが何より重要です。

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